【体験談】実家が近くない育児のハードルの高さは異常
育児において、実家が近いか近くないかで難易度がNORMALかVERY HARDくらい変わります。だから、これから子どもが生まれる人で引っ越そうとか、家を買おうとか考えてる人、マジで悪いことは言わないので、実家近くに住んだほうがいいです。
- そもそも仕事と育児の両立はどっちもパー璧は無理という話
- 仕事人間からの脱却
- 時短勤務という素晴らしい制度。でも年収下げてまで活用すべき?
- 残業しない環境を作る
- 誰も誰かの代わりはできず、この身はひとつということ
そもそも仕事と育児の両立はどっちもパー璧は無理という話
世の中にはパー璧(パーフェクトで完璧)にやれちゃう人もいるのかもしれないですが、ボクには無理でした。
そもそも、ボクの実家は、東京からはかなり遠く、飛行機に乗る距離にあります。そのため、なにかあったとしても、両親を頼ることはできません。妻の実家も、新幹線で3時間近くかかる距離にあります。妻がいなくなってから、文字通り一人で育児を行うしかありませんでした。
父親役と母親役。どちらも完璧にこなそうと必死でした。でも数日で、無理ゲー・クソゲーだと思いました。まじで妻がいなくなってから一番追い込まれました。
仕事人間からの脱却
ボクの会社は、残業するのが当たり前という、割とブラックな環境です。定時は18時なんですが、体感、20時が定時という感じ。そんな中、ボクは娘のお迎えがあるので、絶対定時には帰らなければいけません。娘が熱を出そうものなら、すべての仕事をほっぽり出して迎えにいくしかないです。
もともとボクは結構な仕事人間でした。残業はもちろん、休日にも会社に出たり、仕事終わりに上司に誘われれば、明け方まで飲みに付き合う、絵に描いたようなサラリーマンでした。そのことで、何度も妻に叱らたのも、今となってはいい思い出です。
そんなクソ社畜野郎が、育児中心の生活になる―—
もはや人格変えるか、生活を変えるか、職場環境を変えるかしかない話。
時短勤務という素晴らしい制度。でも年収下げてまで活用すべき?
会社の制度として、時短勤務という制度があります。例えば9時始業、17時30分終業のところを9時始業、16時30分終業みたいにできる制度です。
会社によって、時間の設定はマチマチで、始業や終業時間を選ぶこともできます。
妻がいなくなってから、この時短勤務制度を活用しようかと思ったんですが、いろいろ考えてやめました。
時短制度はただ早く帰れる制度というわけではありません。がっつり基本給が下げられます。(当たり前ですね)だいたい4割くらいカットされ、残業も原則禁止になります。
そもそもの話。これから娘が立派になるまで一人で育てなければならないのに、実入りが少なくなるのはどうなんだろう?
母親を亡くしてしまった娘に、できる限りのことをしてやりたい。
けれども、保育園で他の園児たちが帰るのを最後まで見届けさせる孤独は感じさせたくない。
お金がなくたって幸せになれる。
でも、お金があれば選択肢は増える。
二律背反している考え。うさぎドロップを読みなおし、悩んだ末、結果制度を使うことはありませんでした。
(↓作中、すごい仕事のできる主人公は、キャリアを捨てて残業のない部署に異動する選択肢をとっています。娘のりんちゃんがかわいすぎる)
あくまでもボクの場合の答えです。収入が安定されている方は、活用されるほうがいいと思います。
世の母親役の方々は、育児だけやってればいいわけじゃなく、炊事・洗濯・掃除といった家事もあるわけで、それにプラスしてあらゆる雑務が襲ってくるわけですから、通常勤務だと絶対時間足りません。身をもってわからされました。
残業しない環境を作る
じゃあどうするか?
結論、残業せずにすぐに帰ることにした。
当たり前じゃんって思うかもしれませんが、残業文化が根強い企業では、なかなかハードル高いです。
ただ、そんな中、世の中的な動きが味方をしてくれました。
大正義「働き方改革」
違法な残業や度を越えた残業、パワハラ・セクハラの禁止とか、とにかくコンプライアンス(法令)守れよ、ってことを政府がお達ししてくださいました。
そして、私のチームは人事部。もっともコンプライアンスを意識しないといけないチームでしたので、上司に業務効率化の話や、残業を行わないための施策を提案しました。上司はボクの置かれている環境も理解してくれているので、すんなりOK。
行った施策の一例ですが、今まで時間を取られていた社内会議を社内SNSを活用することで、外出していても社員が参加できるようになり、議事録の取得も容易にできるようになりました。
こうした業務効率化を目に見える形で行ったことで、定時帰りの後ろめたさはまったくなくなりました。「施策の結果」が形となっているわけですから。
私の部下は20人ほどいますが、ほとんどが定時で帰っています。あれだけ残業していたのに、ウソのような環境になりました。
誰も誰かの代わりはできず、この身はひとつということ
当初の目標であった、「娘を最後まで保育園に残さない」ことはなんとか実現できています。それでも、平日はなかなか凝った料理が作れず、掃除や洗濯も滞りがちです。
妻の代わりに立派な母親役をやらなければ、と、当初は思っていましたが、それは無理でした。
もともと誰も誰かの代わりなんてできやしない。そもそもボクは男性ですし、どうみたって妻とは似ていません。なので自分のできる範囲、そこから少しだけ背伸び(つまさきだち)して自分なりの母親役をやっていこうと思います。